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INSIDE ATOMIC
2023/24 NEW MODEL Information #3
BACK COUNTRYという分野における大きな革命
BINDINGを問わないBOOTS選択の楽しみで「自分に合った」が必ず見つかる
山を丸ごと楽しめるバックカントリー(以下BC)という分野には、大きく分けて2つの楽しみ方があると思います。
ゆっくりと景色を楽しみながらのUPHILL(登山)と、ダイナミックな地形に自分だけのシュプールを描くDOWN HILL(滑走)。このジャンルを楽しむスキーヤーとそのフィールドの増加に伴い、ギアも年々進化を遂げてきました。
しかしながら、「登る」と「滑る」という二つの両極端な楽しみ方を一つのギアで行うには、重きを置く開発ポイントが異なり、安全性という大前提を考慮すると、特にビンディングとの交互性において選択できる幅が狭かったのも事実です。
もうBINDINGの交互性で悩むことなく、「自分に合った」を選べるようになる。
これが、今回ATOMICが発表するBC BOOTS最大の革新であり、フルモデルチェンジと新登場シリーズの発表と、ギアの選択幅が大きく向上し、またスキーという楽しみ方の幅も大きく変わっていくのではないかと期待しています。
#1 HAWX ULTRA XTDフルモデルチェンジ
軽さによる安定感や耐久性に一切の不安材料なし
BC BOOTSの中でもDOWN HILLに優位性を持つこのシリーズは、発表とともに爆発的な人気を誇ってきました。
クラス最高峰のフィット感、軽量性、アルペンブーツと遜色ない滑走耐久性、そして、その見た目からは想像し難いほどの可動性能の広さ。ATOMICが誇るKING OF BC BOOTSと言っても過言ではありません。
これだけ完成度が高いにも関わらず、なぜ進化させる必要があるのか。それは、BCをより長く、よりハードな状況下でも、とにかく安全に楽しむ必要があるからだと、私たちは考えています。
まずは、ATOMIC ユーザーNO.1使用率を誇るHAWXのシェル構造「PROLITE(プロライト)」をきちんと知っていただく必要があります。
BC分野の盛り上がりとともに巻き起こった「平成の軽さ合戦」。どのブランドもこぞって軽さを求めたギアの開発に努め、それは現在も開発の大きなテーマとなっています。本来軽量化を求めるには、元々ある材料を削るという技術が一般的と考えられてきました。
しかしこのHAWXのシェル構造PROLITEは、逆の発想からスタートし、可能な限りスリムなプロファイルから設計から出発します。そのベースを元に、強度と安全性が必要とされる箇所へ補強を施すといった設計技術を根底に置いており、軽量にも関わらず、安全且つアグレッシブな滑走性に耐久したブーツに仕上げることができるのです。
では今回どこが大きく変わったのか。一言で表すと、全てのパーツがバージョンアップ!
見た目では伝わりづらいですが、非常に緻密に考えられた、スキーヤーの視点に立った改良を施しています。
軽さという優位性はそのままに、シェル部分には主に以下の変更が加えられています。
- 補強部分のブラッシュアップを行なった新しいロアシェル構造
- 素材をPUに特化したことによる滑走性の向上と劣化の軽減
- 誤差が少なくバタつきのない開閉容易なNEWバックル
- ソールのゴムシェルを大幅に広く設置することによる耐久性の強化
今回メイン素材をPU(ポリウレタン)で揃えたことは、素材の本質的な「粘りや剛性」を尊重し、「滑走性」という部分を最大限重視したからでもあります。
そして、ATOMICは環境配慮の観点からも、10年前から再生PU(ポリウレタン)を使用してきました。PUだけでなく、23/24コレクションのラバソールにも25%のリサイクルラバーが使用されます。
NEW HAWX ULTRA XTDは、滑走時の安定性だけでなく、歩行シーンにおける安全性と快適性、そして、アグレッシブなビンディングの着脱によるブーツの劣化軽減まで、BCを楽しむ全てのシーンにおけるブーツ機能が向上しています。合わせて、地球規模で「雪」という自然環境への配慮も今まで以上に考えて開発されているところにも、共感いただけると嬉しいです。
そして、快適性という部分で評価の高いインナー(ミミックライナー)も、アルペンブーツのHAWXシリーズが持つ快適性はそのまま受け継ぎ、より「歩行」という観点にスポットを当て、効率の良い関節運動をアシストしてくれるBCへ特化したライナーへ変更しています。
HAWX ULTRA XTDは、滑る、歩くだけでなく、脱ぐ、履く、切り替えるといった、BCをする上で必要な要素全てにおいて、ストレスなく安心して楽しめるスペックに仕上がっています。
そしてなんと、このHAWX ULTRA XTDシリーズに、BOAフィットシステムブーツが仲間入りします。
4バックル同様の改良点は元より、このシェル構造は足を均一に包み込むことに関しては圧倒的な効率性があり、安定性という部分では、パワー伝達効率を含め前作の25%を上回る数字データを実現しています。
すでに完成度が高いBOOTSなのに、全ての活動シーンにおける改良を行なったHAWX ULTA XTD。メンズ、ウィメンズともにトータルニューのフルモデルチェンジで期待が膨らみます。
#2 BACKLAN XTD が新登場
UPHILLに特化したブーツでありながら、ビンディングの交互性を問わない汎用性を手に入れオンピステでも活躍できるブーツが登場
「私はオンピステスキーではなくBCをメインにスキーを楽しんでいます」
そういうスキーヤーの方は、まず何よりも、軽くて、可動域の広い歩きやすいブーツを選択するはずです。従来展開してきたBACKLAND BOOTSも、ATOMIC随一のUPHILLに特化したブーツシリーズになります。
26.5cmでも1,162gという驚くような軽さと、74度いう圧倒的な可動域で、登山ブーツと遜色のない快適な動きを可能にします。
このツアーという部分での優位性を保ちつつ、「HAWX XTDが持つ良い部分でのギャップを埋めていく」というテーマから生まれたのが、今回登場するBACKLAND XTDなのです。
ほとんどのスキーヤーの方は、UPHILLに特化したブーツを選択すると同時に、BINDINGもそれに見合ったUPHILL寄りのタイプをセットアップします。当然、BCを高いレベルで楽しむには、この選択は正しく自然な選択と言えると思います。
とはいえ、どんなにBCに特化してスキーを楽しんでいる方でも、朝一のゲレンデ、新雪が降り注いで綺麗にパックされたオンピステを見ると、やっぱり気持ちよくスピードを出して滑ってみたくなるのがスキーヤーの心情だと思います。
そんな時、ブーツを変えることなく、安定性の高いオンピステ用のアルペンスキーに足を通せたら…
そういった思いがありながらも、BOOTS本来のシェル構成とBINDING交互性の問題で断念していた方が多いのではないでしょうか?
このBACKLAND XTDは、従来のBACKLANDシリーズとは異なるシェル構造を開発する中でも、同等の軽さ(1,390g/26.5)と同等の可動域(74度)を保持し、その交互性という課題を最大限解消できるようになりました。軽量なローテック系ビンディングだけでなく、GLIP WALK規格のアルペンビンディングまで足を通せる汎用性を手に入れたのです。
※シリーズ全商品ではありません。
ATOMICが掲げるWE ARE SKIINGという最大のテーマにあるように、スキーという楽しみは全て共通で、ジャンルによって違うスポーツになるのではなく、雪上を滑走して楽しむもの全てがスキーであると私たちは考えています。
BACKLAND XTDの登場によって、オンピステ用スキーで朝一の綺麗なゲレンデを楽しんでから BC TOURへ出かける。そんな今まで出来そうで出来なかったことが実現し、スキーを楽しむ幅が一層広がることは、大変喜ばしく誇らしい大きなできごとであると思っています。
つまり、このフルモデルチェンジ、新登場となるBC BOOTS「HAWX ULTRA XTD」「BACKLAND XTD」は、どちらも特化した得意分野がありながらも、スキーを楽しむ上で必要な要素は全て持ち得たブーツへ進化したといっても過言ではありません。大幅なバージョンアップは少ないながらも、より快適性を求めた「HAWX PRIME XTD」も含め、自分がUPHILLとDOWNHILL、どちらへ楽しみの偏りを持つかを吟味しながらきちんと選択し、そのままのギアでオンピステでの楽しいスキーライフをお楽しみいただけます!
また、UPHILLに特化した最軽量のBACKLANDシリーズも、BACKLAND XTDとは別モールドで引き続き展開します。より高いレベルでのUPHILLをお求めの方はこちらも注目です!